すのこベッド愛好会です。
当愛好会は、けっこうな昔の数年前から、地道に、すのこベッドとゆー地味な家具を研究してまいりました。
当初は、すのこベッドの定義として、高さ(厚み)10cm以下のものを「すのこベッド」と呼び、それよりも高さがあるものはスノコが付属しているベッドとして愛好の対象外としていました。
しかし、日本の気候も変化し、そしてまた日本の家具業界も変わりました。
毎年のように発生する自然災害と凶暴な猛暑。すでに日本は熱帯と化し、寝苦しい日々が続きます。
そして家具業界では、日本の家具メーカーが窮地に立ち、毎日のように廃業・倒産のニュースが流れるなか、アジアの諸外国から驚くほど安い家具がコンテナに詰め込まれて大量に日本にやった来ています。
そんな状況のなか、すのこベッドもまた変化を続けています。
そもそもすのこベッドは、マットレス式のベッドではなく、あくまでも床に布団を敷いて寝たいけれども、布団の床の間に結露するのをなんとか防げないかとゆーことで開発されました。
しかし、日本人の中心をなす団塊の世代が高齢化する今日にあって、やっぱり「床に布団」では、起き上がるのが辛い、ある程度高さがある寝台で寝たい、でも厚いマットレスじゃなくて布団が敷けるベッドでなおかつ折り畳めるのがほしい。
こんな声が聞こえて来たのです。
そしてついに、わが愛好会も、当初の志を捨て、高さ(厚み)10cmを超えるものも「すのこベッド」と呼び、それらも愛好対象とすることに方針を変更したのでありました。
折り畳みできる木製ベッドのパイオニア。中居木工の折りたたみベッド
鉄パイプ式の折りたたみの簡易ベッドは、昔からありました。
しかし、木製となるとこれがなかなか難しく、初めて登場したのは中居木工が発案したこの木製ベッドです。
中居木工は、現在の日本では数少なくなった家具の産地、「広島県府中市」にある家具メーカーです。
強度が求められるベッドフレームにはラバーウッド(ゴムの木)を使い、すのこ部分にはヒノキ材が使われています。
木製を折り畳み機能を実現させた画期的な製品です。
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進化は続き、電動リクライニング版も登場しました。
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この中居木工の木製ベッドはその後も進化を続け、布団を敷く部分をすのではなく畳に置き換えた製品も発売されました。
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残念ながら、この畳ベッドは優れた製品ですが、「すのこベッド」ではなくなったので、当愛好会の愛好対象からは完全に外れてしまいました。
そうこうしている間に登場したのが、次に紹介する「桐らくね」です。
有名旅館に採用され始めた木製折りたたみすのこベッド「桐らくね」登場
一見、中居木工製の木製ベッドと見紛うかもしれませんが、よく見ると、すべてが無塗装の白木で作られているのが、この「桐らくね」です。
その名のとおり、この白木は桐。木製部分はすべて中国産の桐材で作られています。
最初は中居木工のエピゴーネンと思われていたこの桐らくねも進化を続け、最新版は「桐らくね プレミアム」となり、2018年度グッドデザイン賞を受賞するまでになっています。
この桐らくねは、一般消費者だけでなく、和風旅館の畳部屋で使うことで、臨機応変に布団の高さをベッドと同じ高さまで持ち上げることができるツールとして評価が高まり、今では、和倉温泉 加賀屋、湯沢温泉 雪国の里 高半、伊香保温泉 美松館、戸倉上山田温泉 ホテル亀屋本店で導入されているとの話です。
開発者の不断の努力にアタマが下がります。