高齢者にも、単身暮らしの若者にも重宝されている木製のすのこベッド。
ここでは、「折りたたみすのこベッド」の最新事情について解説します。
今回は、次の3つの条件を兼ね備えるベッドについての解説です。
(1)木製で。
(2)ふとんやマットレスをのせるところが「すのこ」状になっていて。
(3)しかも、折りたたみができる。
昔は「折りたたみベッド」といえば、スチールパイプを使った簡易ベッドしかありませんでした。
こんな感じのものですね。
これはこれで、必要なときに引っ張り出して使えるよい製品です。
でも、スチール製なので、重量も重いし、触ると冷たい。
これから寝ようってゆーときに、ベッドが重かったり、冷たかったりしたらいやですよね。
そんなわけで、日本の家具業界の先駆者は考えたのです。
木製の折りたたみスノコベッドを。
そのパイオニアの流れをくむのが、広島生まれのこのベッドです。
中居木工は、まさにこの木製折り畳みベッドの先駆者であり、当初の折りたたみベッドは、フレームはラバーウッド(ゴムの木)、スノコは桐で作られていました。
最新モデルは、すのこ部分が桐ではなく、ヒノキで作られています。
日本製の木製ベッドです。
次に紹介するのは、パイオニアである中居木工の木製折りたたみベッドを研究しつくして開発された執念のベッド、「桐らくね」です。
新潟の桐専門店によって開発されたこの木製折り畳みベッドは、木製部分はすべて桐で出来ています。
桐といえば高級木材として知られていますが、それは高額な「桐箪笥」に使われる柾目でそろえられた材料の話であり、板目の部分の桐材は特に高級木材というわけではありません。
しかし、柾目でも板目でも、桐は桐であり、アジアで一番比重が軽い木材であることは間違いありません。
つまり、この軽い桐材でベッドを作ることができれば、お年寄りでも軽々と移動できる木製ベッドが出来上がります。
でも、桐の軽いという特長は、強度的には弱いという側面を同時に持っています。
タンスのような「箱もの(ハコモノ)」は板で構成される家具であり、モノを入れるだけの家具なので、柔らかい桐でも十分な強度を得ることができます。
しかし、ベッドではそうはいきません。
人間の体重がもろにかかって来る宿命の家具であり、そこには十分な強度が求められますし、キシミ音などが起きることも許されません。
「きしむベッドの上で優しさ持ち寄りー」ってゆー状況は青春歌謡のなかのお話です。
以上のようなさまざまな制約のなかで開発されたのが、「桐らくね」なんですね。
口コミでその軽さや使いやすさが広まったようで、いまだに売れ続け、東急ハンズでも扱われるようになっています。
▲出典:桐建材HP
この桐らくね、動画でも見てみましょう。
一方、ふとんやマットレスを敷く部分が「すのこ」より畳がいいって方にはコレです。
これも日本が誇る中居木工の製品です。
すのこベッドの場合、うすい布団をつかうと、スノコの凸凹が布団表面でも感じられることがあります。
平気な人は平気ですが、これじゃあ眠れないって方にもいらっしゃいます。
中居木工のこの畳タイプは、ホントの畳で構成されているので、薄いせんべい布団でもゴツゴツするってことがありません。